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デュエル@X-DRIVE

釣り糸のメーカーであるデュエルから従来の高分子ポリエチレン系とは一線を画したラインが出た。クラレのベクトランを使用したラインで、その引張り強度は東洋紡のスーパーダイニーマやパワーアップダイニーマをはるかに凌ぐ性能である。ジツはベクトランが釣り糸に使われるのは今回が初めてではない。5、6年前にフジノナイロンがグラヴィティというラインを出したとき、最初はベクトランを使用していた。すぐにHPFという素材に変わった(HPFが何者なのかはよくわかりません)が、ベクトランという名前はそのとき初めて聞き、引張り強度がダイニーマやスペクトラの2倍以上というとんでもない代物だったのでよく覚えている。現在出ている最新のウルトラダイニーマでもこいつにはかなわない。そんな優れものがなぜ釣り業界に広まらないのか?値段が高い…というわけではない。値段はダイニーマより少し安いくらいである。このラインは引張り強度は驚異的であるが結束強度が低いという致命的な欠点がある。PE系ラインはただでさえ結束強度が低い。常にライン強度の60%以上が出せればノットのエキスパートと呼ばれるくらいである。PE系のラインは丸結びが一つできればその部分の強度が1/3くらいまで落ちる。それくらい厄介なのである。しかし釣りでラインを結ばないなんてありえない。ではどうするのか?そんなときは、摩擦力を利用した結び方を選ぶ。ロープワークの世界では結ぶことをノット、巻きつけることをヒッチという(最近はあまり細かいことを言わなくなった?みたいだが)が、そのヒッチに近い考え方で考案された結束方法である。その中でもビミニツイストやブレイデットスプライスなどの編み込み系とミッドノットやFGノットなどの巻付け系がある。しかし、ベクトランはそれらの結び方も受け付けない。どんなに丁寧に編み込んでも結束部分から飛んでしまう。ベクトランの性能を十分に発揮させる事の出来る釣り人を私は知らない。そんな難攻不落なラインに一釣り人として挑んでみたくなった。勿論、秘策があっての話だが。釣り糸の結び方は年々進化していて人類が釣りという行為を始めて何千年になるのか知らないが、その進化はまだ止まりそうにない。もちろん私もその一端を担えればと思っている。釣り人は、竿を置いてもチャレンジスピリッツを忘れない人種である。
その後の結果は、後日このブログで…
by water_land | 2005-03-18 01:30 | Gear考察


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